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物理的及び化学的性質
原料
エリスリトールは水素を含む結晶状粉末で、人工甘味料特有の薬臭い味や匂いがしません。白く透通った粉末はさらっと水に溶けて無色の甘い溶液になります。
分子構造
エリスリトールは化学的にはソルビトール、マニトール、キシリトール、グリセロールのような単糖ポリオール類に属します。四つの炭素原子からなる線状含水炭素分子で構成され、それぞれの分子に水酸基群が存在します。またエリスリトールの分子は左右対称に位置し、メソフォームにのみ存在します。
図表1_ エリスリトールの分子構造
分子量
現在甘味料に使われているポリオールのグループのうちエリスリトールは分子量が最も少なく、このため浸透圧が高まり溶液中の水分活性が低くなります。したがってエリスリトール配合の食品は防腐性が高まり長期保存が可能になります。
溶解度
エリスリトールは中度の溶解性を持つ(25。Cで37%)、素晴らしい結晶状の粉末です。これは結晶構造が必要とされる低糖食品を製造する際には非常に重要で、これまではしょ糖から得られていました。
図表2 _ 異なる水温におけるエリスリトールと他のポリオール類、しょ糖との溶解度の比較
水溶熱
エリスリトールの結晶は水中で溶解する際に多量のエネルギーを必要とします。これはエリスリトールに高度なマイナス溶解熱の性質(-43 cal/g)があるためで、この性質はキシリトールにも存在します。この特性が結晶体に熱吸収による強力な冷却作用を与え、したがってエリスリトールをチューインガムなどの菓子類に配合した場合に爽やかな冷涼感をつくり出します。
吸湿性
エリスリトールには吸湿性が全くありません。この水分を吸収しない性質が食品の保存性を高めるので、エリスリトールの使用は特にタブレット、のど飴、チューインガムとそのコーティングなどの菓子類の製造に大きな効果を発揮します。
図表3 _ ポリオール類の吸着等温曲線
水分活性
水分活性(aw)は水分の吸出及び放出作用、また食品中の水分移動の観点からとても重要な要素です。さらに水分活性度は酵素作用、メイラード反応、脂肪酸化や微生物の抑制、食品の質感などにも影響します。
エリスリトールの水分活性は食品中の水分活性を効率よく低減および抑制し、食品の保存性を高めます。
図表4 _ 甘味料の影響と水分活性(aw)の関わり
融点、結晶化およびガラス移転温度(Tg)
エリスリトールの結晶は121。Cで溶け始め、無色で透通った無粘性の融解物になります。
エリスリトールには優れた結晶化作用があります。この特性は特にチューインガムやチョコレートの製造においてしょ糖に似た安定性を伴いユニークな作用を発揮します。一方、食品によってエリスリトールの急速な結晶化作用を抑制する必要がある場合は、マルチトールなどの粘性の高いシロップと併用することが可能です。
融解したエリスリトールが冷め始めると、43。Cで結晶化が始まります。したがってエリスリトールのガラス移転温度の測定には急冷方法が用いられます。この急冷方法とは、まず融解したエリスリトールをすばやく-190。Cの液体窒素に落とし、液体窒素の温度を-190。C から-60。Cへ上昇させてガラス移転を促します。非結晶の段階でガラス移転温度は-42。Cで、さらに温度を徐々に上昇させると-8。Cで冷却結晶化が認められます。
図表5‐融点、結晶化、ガラス移転および冷却結晶化
粘性
エリスリトールは粘性を伴わずさらっと水に溶けます。
安定性
エリスリトールの化学的性質は他のポリオールのように末端基定量を低減することなく、熱と酸に対して優れた安定性を有しています。
-
pH
エリスリトールは酸及びアルカリ媒介による分解に対して抵抗力があり、pH 2 ~ 10の状態に長期放置されても安定性を保ちます。
-
温度
エリスリトールには優れた熱安定性がありますから160。Cまでの温度変化で食品の腐敗や変色を生じることはありません。またこの高度な安定性は、殺菌、UHT、ホットパックなどの製造工程で有効に利用することが出来ます。
-
保存性
優れた保存性もエリスリトールの特徴です。
例えばエリスリトール配合の固形食品の場合、乾燥した冷暗所で36ヶ月の保存が可能です。
エリスリトールは極端な pH状態や温度条件下でも優れた安定性を保つので、あらゆる食品の甘味料として最適です。
まとめ一覧
エリスリトールと他の甘味料の主な化学的・物理的性質の比較
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Erythritol
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Xylitol
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Mannitol
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Sorbitol
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Maltitol
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Isomalt
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Lactitol
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Sucrose
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炭素n。
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4
|
5
|
6
|
6
|
12
|
12
|
12
|
12
|
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分子量
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122
|
152
|
182
|
182
|
344
|
344
|
344
|
342
|
|
融点(。C)
|
121
|
94
|
165
|
97
|
150
|
145-150
|
122
|
190
|
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ガラス転移温度
|
-42
|
-22
|
-39
|
-5
|
47
|
34
|
33
|
52
|
|
溶解熱(kcal/kg)
|
-43
|
-36.5
|
-28.5
|
-26
|
-18.9
|
-9.4
|
-13.9
|
-4.3
|
|
熱安定性(。C)
|
>160
|
>160
|
>160
|
>160
|
>160
|
>160
|
>160
|
<150
|
|
酸安定性pH
|
2-10
|
2-10
|
2-10
|
2-10
|
2-10
|
2-10
|
>3
|
加水分解
|
|
水溶度
|
36
|
66
|
18
|
72
|
60
|
28
|
58
|
67
|
|
吸湿性
|
極低
|
低
|
極低
|
高
|
低
|
低
|
中間
|
中間
|
|
|